年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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焙煎と熱伝達の基本

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コーヒー豆の焙煎とは、コーヒー豆を熱加工処理する技術操作プロセスだと考えています。

その技術操作プロセスでは、焙煎しているコーヒー豆1個の熱伝達の仕方が、焙煎中のコーヒー豆集合体(たくさんのコーヒー豆)の熱伝達を表す基本になっていると、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は考えています。

 

焙煎中のコーヒー豆が、周囲の流体(空気)に対して静止しているなら、コーヒー豆と流体(空気)との熱伝達は伝導伝熱のみを考えればよいと思っています。

焙煎中のコーヒー豆と流体(空気)が、お互いに動いている場合には、対流による熱伝達も考える必要が出てきます。

焙煎中のコーヒー豆の温度が高くなってくると、輻射が、コーヒー豆の熱交換や熱放射を支配するようになると考えています。

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伝熱とは、系内に温度差が存在していると、温度の高いところから、温度の低いところへと熱が移動して等しい温度になろうとする現象だと筆者は理解しています。

伝熱は、温度差や温度勾配が存在すると熱移動が起きる現象で、伝導伝熱、対流伝熱、放射(輻射)伝熱の3種類の伝熱方法が知られています。

 

伝導伝熱は、静止している物体(固体、液体、気体)中に温度差が存在していて、高温側から低温側へと熱が移動して行く現象です。

対流伝熱は、固体壁(混じり合わない2流体間では流体壁)と、それに接して流れている流体(気体か液体)の間に温度差が存在する時の伝熱現象で、自然対流と強制対流(攪拌などで熱を強制的に移動させる)があります。

 

物体は、その温度に応じて周囲に向かって電磁波の形でエネルギーを放射し、同時に周囲からエネルギーを吸収する性質を持っています。

空気などの媒体を通さずに、高温の物体の表面から電磁場として熱が伝わる現象を、放射伝熱(輻射伝熱)と表現しています。

太陽やストーブが温かいと感じるのは、この放射伝熱(輻射伝熱)によると言われています。


余談ですが、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は、30数年前(1990年代前半)に購入した小型業務用コーヒー豆焙煎機で自家焙煎したコーヒー豆を小売販売しています。

30数年前の日本ですが、コーヒー豆の焙煎に関する文献が少なくて、手探りでコーヒー豆の焙煎について学んできました。

その年老いた珈琲豆焙煎屋が最初に学んだのが、熱の伝達の仕方です。

中学校の理科の参考書を書店で買ってきて、自学自習した思い出を持っています。

文科系の人間ですから、中学校の理科といっても、ものすごく難解だったのを覚えています。

 

(※)「焙煎と熱伝達」について、もう少し詳しく記載している記事を、下のリンク先ページで有料販売しています。。

ekawacoffee.hateblo.jp

 

(※)珈琲ブログの有料記事「コーヒー豆焙煎プロセスの基礎知識」に収録している記事と、ほぼ同じ内容のテキストを2024年2月発行の電子書籍『コーヒー豆自家焙煎談義』にも収録しています。

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