エカワ珈琲店のブログ

和歌山市で営業している珈琲屋の雑話です

 
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フットボールとマーケティング

【クローズアップ】 

 

コーヒー豆自家焙煎店経営

 

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アメリカの人たちのフットボールへの熱狂ですが、日本に住む私(エカワ珈琲店の店主)から見れば、ものすごく不思議な感じがします。

でも、フットボールがアメリカ文化に与えている影響を理解することができれば、マーケティングの未来と過去の多くのことについて理解することができるかもしれません。

 

最初、フットボールはアメリカの大学生たちのスポーツでした。

一つの大学を代表するフットボールの選手たちと、もう一つの大学を代表するフットボールの選手たちが、英雄的な泥だらけの戦いをしていたわけです。

 

ある大学の学生・卒業生・その他の関係者という種族と、もう一つの大学の学生・卒業生・その他の関係者という種族を代表して、それぞれの大学に所属するフットボール選手たちが闘っていたのだと思います。

フットボールの試合が、同窓生と学生とその他の大学関係者を、一つのグループとしてまとめる接点の役割を演じていたのだと思います。

 

しかし、アメリカの人たちのフットボールに対する熱狂度を考えると、それが全てだとは考えられません。

もし、それが全てだとしたら、フットボールだけではなくて、ハンドボールやラクロスにも同じレベルの熱狂を示すはずです。

でも、フットボールに対するアメリカの人たちの熱狂度は特別です。

 

何故なのか、その理由は明白です。

フットボールが、あらゆるスポーツの中で、最もテレビ放映に適しているスポーツなのだと思います。

プレイクロックなどのフットボール試合の有様は、テレビでの試合観戦に完璧に適合しています。

また、コマーシャルを挿入するのにもフットボールの試合は理想的です。

 

ということで、テレビ業界とフットボール業界は、手に手を携えて規模を拡大してきたのだと思います。

フットボールのインスタントリプレイと30秒のテレビコマーシャルが、お互いにお互いを支援し合って成長してきたのだと思います。

テレビのコマーシャルは、お客さんがフットボールの試合に消費する金額以上の収益を、フットボール業界にもたらしました。

 

エド・セイボルが設立した小さな映像会社が、1962年NFLチャンピオンシップの映像化権に前年の2倍4000ドルを支払いました。

その後、セイボルの会社はNFLのオーナーらに買い取られて、NFLフィルムズが誕生しました。

 

NFLフィルムズは様々な映像スタイルを産み出し、幾つものフットボール映画を作り出しました。

リプレイ映像で、スローモーションやリバースアングルを使用しました。

BGM音楽を使う、複数のカメラを使ってのマルチアングル、試合後の選手たちの様子の映像を使用するなど、様々な編集が施されました。

 

テレビ局が、フットボールの試合を頻繁に中継放送するようになったのも、フットボール業界にとっては大きな出来事だったのだと思います。

フットボール試合のテレビ中継は、フットボール業界とテレビ業界に莫大な収入をもたらしました。

広告主が、競ってフットボール試合の中継番組で、自社のコマーシャルを放映することを希望するようになりました。

 

フットボールの試合からもたらされる思いがけない収益は、大学のフットボールチームにも大きな変換をもたらしました。

それは大学の主たる使命からすれば、ものすごく小さなことなのですが、大学フットボールチームの選手たちに奨学金を支給するようにもなりました。

 

奨学金を支給することで、フットボールという危険なスポーツ労働への代価を支払ったのだと思います。

選手たちに支払われる奨学金は、フットボールのプレーをするためではなくて、テレビへの出演料という性格が強かったわけです。

 

メディアとフットボールの複合体は、幼い少年たちをフットボールの世界へと駆り立てました。

お金のために、仲間や家族のために有名選手になるのを夢みて、子供たちはフットボールに夢中となって行きました。

 

そのようにして、フットボールは巨大な収益を産み出す産業に成長して来たのだと思います。

しかし、これからの将来、他のスポーツがフットボールのようにテレビ業界と手に手を携えて成長することは、まず有り得無いことだと思います。

何故なら、フットボールの最大の収益源であるテレビからの収益が期待できないからです。

 

テレビネットワークに代表されるマスコミは、アメリカの人たちの文化にまだまだ大きな影響力を持っています。

でも、テレビネットワークに代表されるマスコミ業界ですが、基本的には終了しているのだと思います。

 

フェイスブック、ツイッター、グーグルに代表される現在の巨大メディアは、一つのコンテンツだけで多くの人たちに支持されているわけではありません。

不特定多数の大衆をターゲットとした商売を営んでいるわけでもありません。

 

多数の人たちが1つのコンテンツを楽しむのではなくて、多数の人たちが多数のコンテツを楽しんでいます。

それぞれの人たちが、それぞれのコンテンツを楽しんでいるわけです。

 

現在の巨大メディアを利用している人たちの文化の基準は、不特定多数の大衆でも、ある特定の誰かをターゲットとしているわけでもありません。

そのプロセスは、『種族(グループ)→コネクション/コミュニティー→多様な影響力』となっているのだと思います。

 

これからの将来、テレビが、これまでのように大衆を動かすエンジンとしての影響力を維持できると想像することは困難です。

大衆文化(マスカルチャー)の時代からカルチャーポケットの時代へと、時代が移り変りつつあります。

カルチャーポケットの周りで、自分たちの生活を構築する時代になりつつあるのだと思います。

 

セスゴーディンさんがブログ記事で語っているように、これからの商売人(マーケッター)の仕事は、不特定多数の大衆をターゲットとするのではなくて、活気に満ちたカルチャースポットを作り出すことなのかもしれません。

 
【参考】

Seth's Blog: Why do we care about football?