エカワ珈琲店のブログ

和歌山市で営業している珈琲屋の雑話です

 
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昭和45年/赤頭巾ちゃん気をつけて

  

   

 

 

1970年の1月から3月にかけて、「芥川賞」を受賞したばかりの小説、『赤頭巾ちゃん気をつけて』がベストセラーになっていました。

私は、高校の卒業式をまじかに控えた、流行や宣伝に弱い少し軽薄なタイプの青年でしたから、新聞広告の何十万部突破という宣伝に踊らされて、この小説を購入しました。

 

主人公は、当時の私より1歳年上の『薫(かおる)」という青年です。

時代設定は、1969年の春で、ちょうど1年前の、ある1日だけの物語です。

薫くんは、成績優秀な高校生で、東京大学を受験するつもりでした。

しかし、当時、流行っていた大学紛争のあおりで、その年、東京大学の入試が中止になってしまいました。

 

1年間、大学受験浪人をして、翌年、東京大学を受験しようか、それとも今年、他の大学を受験しようか迷っている薫青年の1日を、「ぼく」という一人称を使って描いた日記風の小説です。

この小説を読んで、感動というようなものを感じた記憶は残っていません。

ただ、『バカバカしさの真っ只中』という言葉が、印象に残っているだけです。

この小説の作者は、庄司薫さんで、現在、ピアニストの中村紘子さんのご主人です。

 

『赤頭巾ちゃん・・・』のあと、数年間の間に、「薫くん」を主人公に、『怪傑黒頭巾』、『青ひげ』、『白鳥』という言葉を使った題名の小説を執筆しています。

『赤頭巾ちゃん気をつけて』は、東宝で映画化され、現在(2010年)の東映の岡田社長が、主役の「薫くん」を演じていました。

 

それからから、30数年間が経過しています。

庄司薫さんは、赤・黒・青・白の4つの作品を発表した後、どういうわけか、現在に至るまで、新作を発表していません。

 

『赤頭巾ちゃん気をつけて』が発表された頃、私は18歳でしたから、『バカバカしさの真っ只中』という言葉を、実感することができませんでした。

今の私は、『バカバカしさの真っ只中』という言葉を、十分に実感することができます。

 

小説の主人公「薫くん」ですが、私よりも1学年年長のはずですから、もう還暦を越えているはずです。

現在の、彼の日常と思考に、非常に興味があります。 

 

【2010年9月25日記】 

 

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