エカワ珈琲店のブログ

和歌山市で営業している珈琲屋の雑話です

 
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高級ブランドは終了するのか

 

セスゴーディンさんの「Seth's Blog: Is digital the end of luxury brands?」を参考にさて頂いて、高級ブランドについて考察してみました。

 

高級ブランドのふるさとは、1600年代のフランスの財務官僚ジャン・パティスト・コルベールによる、重商主義政策なのかもしれません。

彼は、より良い材料を使ってより丁寧に作られたより良い商品を、政府の保護のもと高級品(ぜいたく品)として、特定の商人に高価格で独占的に販売させるという手法で、ぜいたく品の販売を奨励しました。

その結果として、ぜいたく品を取り扱う商人は、巨万の富を手すると同時に、巨額の税金を政府に納めることで国家財政が潤いました。

 

時代が流れて、工業主義の時代となって、文字や図形を使った商標を用いてぜいたく品を独占的に販売するという手法が登場しました。

高級ブランドの登場です。

高級ブランドの意味を表現する方法として、文字や図形が、その製品(商品)と同じくらい重要なものとなりました。

 

工業主義の時代となって高級ブランドが登場するまでは、ぜいたく品(高級品・高額品)には、何も特別な意味が存在しなかったのだと思います。

何がぜいたく品かという基準が存在しないわけですから、ぜいたく品を選択するのにある程度の困難が伴っていたのだと思います。

高級ブランドが登場して、高級ブランドに意味が付加されることで、その選択作業が容易になったのだと思います。

 

高級ブランドが登場して、消費者は、そのブランド価値に対して余分にお金を支払うようになったわけです。

ブランドビジネスとは、文字や図形といったロゴを売る商売なのかもしれません。

ヘルメスやシャネルやシャンパーニュといった高級ブランドは、20世紀の工業時代になって、その地位を築きあげました。

 

高級ブランドは、お金持ちの象徴となりました。

金持ちの象徴となることで、高級ブランドはたくさんの付加価値を創造したのだと思います。

高級ブランドの地位が確立されると、次に、アウトレットモールが登場してきました。

それほどお金持ちでなくても、大衆的な価格で高級ブランドの商品を購入できるようになりました。 

高級ブランドが、大衆にも手に届く商品となったわけです。

 

誰もが、手軽な料金で高級ブランドを手に入れることができるようになると、高級ブランドに高額の付加価値を支払う消費者が少なくなるのは自然の流れなのだと思います。

H&Mは、高級ブランドのアウトレット商法を取り入れて、有名デザイナーがデザインした商品をお手ごろ価格で販売するという商法で業績を拡大して行きました。

そうなると、既存の高級ブランドに高額の付加価値を支払う消費者は、さらに少なくなります。

 それでも、まだまだ、多額のお金が高級ブランドに費やされています。

しかし、高級ブランドのブランド影響力は、確実に低下しています。

 

ブランド影響力の作りかたですが、最近、相当に変化してきているのだと思います。

ポスト工業時代のコネクション経済において、消費者は、ブランドよりもネットワーク(つながり)を評価するようになっています。

高級自動車よりも、使い勝手のよいスマートフォンのほうに興味を持っています。

高価な高級靴を履くよりも、使用目的に適合した履き心地の良い靴を履きたいと考える人が増えています。

商標や図形というブランドロゴの価値は、確実に低下しています。

商品の機能性を重視する時代になっているのだと思います。

 

それにもかかわらず、数多くの企業が、商標や図形というブランドロゴに夢を託しています。

しかし、それで未来が開けるとは思えません。

現在の消費者は、最先端の技術や熟練の職人技術によって生み出される、最高の何かを探している可能性が高いのだと思います。

現在の消費者は、熟練の職人技術と、自分だけのオーダー商品に郷愁を覚えている可能性もあります。

 

高級ブランドが消滅するとは思いませんが、間違いなく、高級ブランドの概念が変化しているのだと思います。

高級ブランドがお金持ちの象徴だったのは、もう、過去のことなのかもしれません。

 

例えば、和歌山市という田舎町の零細生業パパママ店であるエカワ珈琲店が、これまで集積して来た経験・技術・知識を駆使することで、コーヒー業界の高級ブランドと比べても、それほど遜色の無いコーヒーやコーヒー体験を、和歌山価格で全国のお客様に提供することができる時代になっているわけですから。

 

【参考】

Seth's Blog: Is digital the end of luxury brands?