年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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コーヒー豆自家焙煎店は、現実を受け入れて、その中で一番儲けられる商売を・・・

2010年~2015年の間に、コーヒー生豆価格が2回乱高下しました。

2010年のコーヒー生豆の高騰とその後の下落、2014年のコーヒー生豆価格の高騰とその後の下落の2回です。 

2016年の現在も、エカワ珈琲店の財政事情はそれほど安定しているはわけではありませんが、2010年当時は、現在とは比べ物にならないくらい財政的に不安定な状態にありました。ですから、2010年のコーヒー生豆価格の高騰に対して相当な危機感を抱いたのを覚えています。

 

ということで、2010年12月に考えた、コーヒー生豆高騰に対するエカワ珈琲店の対処方法を、もう一度、「エカワ珈琲店のブログ」に再掲載して、当時の危機感を再確認することにしました。

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【コーヒー生豆価格高騰、'C' Levelに/2010年12月30日】

今年の夏頃から、世界的にコーヒー生豆価格が高騰しています。

円高状態にあるので、これまで、その影響が小さかったのですが、ここに来て、大手コーヒー企業「キーコーヒー」が、焙煎コーヒー豆の値上げを発表しました。

12月に入ってから、コーヒー生豆価格高騰のニュースが頻繁に流れています。コーヒー生豆の流通に、何かが発生しているのかもしれません。

ということで、アメリカのコーヒー業界が、コーヒー生豆価格の高騰をどのように見ているのか、そして、このコーヒー生豆価格の高騰現象にどのように対処するのか、インターネットを利用して調べてみました。

 

ここ数ヶ月間のコーヒー生豆価格高騰には、3つの要因が関係しているとされています。

1つ目の要因は、コーヒー生豆が品薄状態にあるということです。

2つ目の要因は、コーヒー生豆生産国でのコーヒー消費の高級化が進行していることです。

3つ目の要因は、機関投資家が、証券・金融市場での不振を補うために、コーヒー生豆商品市場への投資金額を増やしているからです。

これらの3つの要因が複合的に影響を与えあって、アナリストたちが「パーフェクト・ストーム(史上最悪の暴風雨)」と呼ぶような、商品価格の高騰が発生しているとする考え方が主流のようです。

 

この10年間、スペシャリティーコーヒーの消費は増加傾向を示してきました。

スペシャリティーコーヒー関係者は、幸せな時間を過ごしてきたわけです。しかし、この夏以降のコーヒー生豆価格の高騰を観察していると、楽観は許されない状況になって来ているのかもしれません。

大雨の影響でコロンビアのコーヒー生豆生産量が減少していて、ブラジルの一部地域でも、旱魃の被害が報告されています。しかし、現在のコーヒー生豆価格高騰が、需要と供給の問題だけで発生しているとは考えられないとする意見があります。

コーヒー生豆価格高騰の主たる要因は、機関投資家による商品投機だとする考え方で、エカワ珈琲店も、そうなのかもしれないと考えています。

ということで、証券市場・金融市場の世界的な回復が期待されている、今日この頃です。

 

資本力のあるコーヒー豆焙煎企業は、この数ヶ月間、スペシャリティーコーヒー生豆の購入量を増やしているそうです。(アメリカでの話です)

コーヒー生豆価格の高騰に備えてではなくて、焙煎コーヒー豆の十分な供給量を確保するために、コーヒー生豆の購入量を増やしていると伝えられています。

だけど、コーヒー生産国の農園と直接取引を行っているコーヒー豆の焙煎屋さんが、スペシャリティーコーヒー生豆の購入に苦労することは有り得ません。

でも、もしかしたら、小規模な焙煎屋さんの場合、コーヒー生豆輸入業者との関係から、資金的なゆとりがなければ、スペシャリティーコーヒー生豆の購入に不便を感じることになるかもしれません。

 

スペシャリティーコーヒー生豆の価格ですが、コーヒー生豆の市場価格に連動して高騰しているわけではないようです。

少し価格が上昇しているようですが、まだまだ、たくさんの良質のコーヒー生豆が適正価格で流通しています。

コーヒー生豆市場に関しては、大きな問題が見落とされているのだと思います。

コーヒー生豆市場での問題は、適切な調整が行われていない不当な価格上昇だけとは限りません。

 

歴史的に、コーヒー生豆の価格は、時折、変則的な上げ下げをしています。コーヒー生豆の生産コストに関係なく、価格が上がったり下がったりしています。

コーヒー生豆市場の仕組みは、コーヒー生豆生産者の努力を認めない仕組みになっているのだと思います。

最近のコーヒー生豆価格ですが、1979年頃のコーヒー生豆価格と同じくらいです。でも、その頃よりも、コーヒー生豆の平均的な品質は数段良くなっています。

コーヒー生豆の品質が、コーヒー生豆の価格に十分に反映されていないのだと思います。

 

コーヒー生豆の品質が良くなっていて、その品質が安定しているのなら、コーヒー生豆の価格が上昇して、その品質にふさわしい価格で取引されることは、何も悪いことではありません。

コーヒー生豆生産者の努力が認められなければ、品質の良いコーヒー生豆の再生産は不可能ですから。

 

巷の小規模なコーヒー豆自家焙煎店が、今回のコーヒー生豆価格の高騰に、どのように対処すべきかです。

そのうち、コーヒー生豆の価格が下落するだろうということで、コーヒー豆の販売価格を据え置いたりしていると、商売に損失が発生して経営を続けることができなくなることも有り得ます。

商売上の損失発生を防ぐためにも、コスト上昇分は、早急にコーヒー豆販売価格の値上げで吸収するべきだとエカワ珈琲店は考えています。

 

現実を受け入れて、その中で一番儲けられると考えられる商売を続けることが必要なのだと思います。

ちなみに、コーヒー生豆価格の不安定な状態ですが、来年も続くだろうと予想されているようです。

 

 
日本のコーヒー業界では、コーヒー生豆市場の急騰で、コーヒー各社が値上げに動き出しているようです。

キーコーヒーは業務用と家庭用で平均15%の値上げ実施を決定していて、味の素ゼネラルフーズも値上げを検討しているとのことです。

コストが上昇すれば、商品・サービスの価格を値上げするのは「商売の常識」です。でも、アメリカの経済状況ですが、不調だといってもデフレ経済の状態ではありません。

一方、日本の経済状況は、完全なデフレ状態にあるわけですから、大手コーヒー企業が値上げを決定しても、実施可能なのかどうか考え込んでしまいます。

 

夫婦2人だけで営んでいる零細小規模な自家焙煎コーヒー豆小売専門店であるエカワ珈琲店の場合は、コストが上昇すれば、販売価格に上乗せさせていただくしか方法がありません。零細生業の個人店ですから、そうしないと生き残ることができません。