年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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エカワ珈琲店の焙煎コーヒー豆商売と「これが運命」

5kgのコーヒー生豆を焙煎可能な富士珈機製の生産用小型コーヒー豆焙煎機を導入して、本格的に自家焙煎コーヒー豆小売商売を始めたのは1992年の春のことです。

配達先の中心は、和歌山市内とその郊外に立地している会社・学校・役所でした。

 

 

2000年代の前半、ある事情で、コーヒー生豆の仕入れルートを変更する必要が生じて、新しい仕入先を探したのですが、コーヒー生豆を卸してくれるのは二次問屋さんだけで、1社だけコーヒー生豆商社(1次問屋)さんに取引を打診したのですが、体よく断られてしまいました。

コーヒー豆自家焙煎店にもコーヒー生豆を卸していると聞いたので取引を打診したのですが、体よく断られてしまったので、何か気分が落ち込んでしまって、他のコーヒー生豆商社(1次問屋)さんに取引を打診する気持ちが無くなりました。 

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その頃のエカワ珈琲店は、毎月平均して400kg~500kgと、現在(2016年)の2倍以上のコーヒー生豆を使用していたので、十分にコーヒー生豆商社(1次問屋)さんと取引する資格があると思っていたのですが、仕方がないとあきらめることにして、二次問屋さんのルートでコーヒー生豆を仕入れることにしました。

しかし、二次問屋さん経由だと、コーヒー生豆の仕入れコストが高くなってしまいます。

 

ちょうどその頃、コーヒー生豆の取り扱いを開始したばかりの総合商社さんが、取り扱うコーヒー生豆をスペシャリティーコーヒーだけに絞って、コーヒー豆自家焙煎店相手にオンラインでコーヒー生豆を直売するビジネスに乗り出していました。

 

その総合商社さんの取り扱っているスペシャリティーコーヒー生豆の価格はというと、エカワ珈琲店が二次問屋さんから仕入れる一般的な(商業ベースの)コーヒー生豆価格よりも安かったわけです。

しかし、品質はというと、一般的な(商業ベースの)コーヒー生豆よりも相当にハイレベルでした。

 

ということで、それからの10数年間、その総合商社さんのスペシャリティーコーヒー生豆だけを仕入れて商売を営んできました。

現在のエカワ珈琲店は、スペシャリティーコーヒー中心の商売を営んでいるのですが、去年(2015年)の10月頃から、二次問屋さんからの仕入れも再開して、商業ベースのコーヒー生豆を使った焙煎コーヒー豆の販売も開始しています。

 

理由は、スペシャリティーコーヒー生豆価格の高騰です。

一般的な(商業ベースの)コーヒー生豆価格は、一時期の高騰から反転して値下がりしています。

でも、スペシャリティーコーヒー生豆は、まだ高騰が続いていて、二次問屋さん経由で仕入れる一般的な(商業ベースの)コーヒー生豆よりも相当に高い価格になっています。

 

エカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆の小売販売を開始して20数年の歴史を持っています。

エカワ珈琲店の経営は常連のお客さんに支えられているわけで、昔からのお客さんも多数います。

ですから、スペシャリティーコーヒー生豆価格が高騰しているからといって、それほど極端な価格設定はできかねます。

 

スペシャリティーコーヒー生豆の高騰に合わせて、スペシャリティーコーヒー焙煎豆の販売価格を値上げしなければ、採算が取れなくなってしまいます。

しかし、ほとんどの常連のお客さんは、スペシャリティーコーヒー焙煎豆を求めてエカワ珈琲店に来店してくれているわけではありません。

長年に渡って安定した価格で販売している、エカワ珈琲店が焙煎する「煎りたて、新鮮、香りの良い」焙煎コーヒー豆を求めてエカワ珈琲店を利用してくれています。

 

ですから、スペシャリティーコーヒー生豆の高騰に合わせて焙煎コーヒー豆の販売価格を値上げすれば、常連のお客さんを数多く失うことになるはずです。

常連のお客さんの大半が納得する値上げでなければ、焙煎コーヒー豆の値上げはできかねます。

それが、20数年間に渡って商売を続けている重みというものなのだと思います。

 

ということで、スペシャリティータイプの焙煎コーヒー豆はある程度の値上げをさせて頂いて、一般的な(商業ベースの)コーヒー生豆を使った焙煎コーヒー豆を、できるだけリーズナブルな価格で販売することにしました。

エカワ珈琲店の目論見が当たって、去年(2015年)の秋くらいから売上の上昇が続いていたのですが、今年(2016年)の1月、店主の連れ合いが体調不良で入院してしまって、現在(2016年4月)は自宅療養中です。

 

去年(2015年)の秋ころから今年(2016年)の1月後半頃までの勢いなら、今頃(2016年4月)は相当に繁盛していただろうと思うのですが、これも運命です。

エカワ珈琲店の場合、自家焙煎コーヒー豆の小売販売を開始した20数年前から、これで軌道に乗るだろうという段階になると、不可抗力(どうしようもない)的な商売に対する障害が発生して、何回も正常な商売が出来なくなった経験を持っています。

 

「これも運命」という事態に遭遇する度に、何とか凌いで来た経験を持っているので、今回も何とかなるだろうと安易に考えています。

それに今年の秋には65歳になるので、基礎年金の受給も始まりますから、それほど稼がなくても、細々と商売を続けて行ければ、夫婦2人何とか暮らして行けるはずです。