江川珈琲店のブログ

「エカワ」は音声検索で表示され難いようなので、またまた、「江川珈琲店のブログ」にブログタイトル名を変更しました。

商品棚を奪い合う競争とお互いに切磋琢磨する競争

自家焙煎コーヒー豆の小売販売を開始して約30年、コーヒー業界の大が小を力づくで叩き潰す熾烈な競争に巻き込まれたりしながら、エカワ珈琲店は何とか生き残って来ました。

2017年のコーヒー市場(日本)は、消費者購入ベースで市場規模が2兆9000億円に達したということで、近年、日本のコーヒー市場は好調を維持しています。

 

底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路 (朝日新書)

底辺への競争 格差放置社会ニッポンの末路 (朝日新書)

 

「商品棚を奪い合う競争」=「底辺への競争」なのだと思います。地域の商店街の衰退や小規模零細事業者の淘汰などは、底辺への競争の結果生じた現象だと思います。しかし、コーヒー業界だけかもしれませんが、その底辺への競争も、そろそろ終焉を向えつつあるように感じています。

 

大手・中堅コーヒー企業の市場領域、ブランド戦略を駆使するコーヒー企業の市場領域、中小規模のコーヒー企業の市場領域、零細なコーヒー豆自家焙煎店の市場領域と、コーヒー市場の棲み分けがはっきりとして来ているようですから、日本のコーヒー業界の熾烈な仁義なき同質化競争も、そろそろ終焉を向えようとしているのかもしれません。

ekawa.hatenadiary.jp

 

エカワ珈琲店ですが、コーヒー業界大手企業による熾烈な仁義なき競争に飲み込まれて、何回も何回も惨めな体験を味わってきました。簡単に表現すると、日本のコーヒー業界の熾烈な仁義なき同質化競争とは、販売用の棚を奪い合う競争です。

 

日本のコーヒー業界は、様々な手段を用いて販売用の棚を独占する競争をしていたのだと思います。その販売用の棚を数多く独占しているのが、大手と呼ばれるコーヒー企業なのだと思います。

そして、棚を独占するには膨大なエネルギーが必要ですから、小規模零細の珈琲屋であるエカワ珈琲店などが、大手・中堅コーヒー企業に弾き飛ばされるのは自然の道理だったのだと思います。

 

ノンフィクション作家や小説家の世界には、おそらく、販売用の棚を独占するというタイプの熾烈な競争は存在しないのだと思います。フィクションやノンフィクションの作家は、他の作家の作品を紹介したり、引用したりしているわけですから、熾烈な同質化競争が存在しないのは当たり前なのかもしれません。

 

書店のベストセラー本を置いてある棚には、そのベストセラー本に関係する様々な本が並べられています。アマゾンで本を購入すると、その本と関係があるかもしれない幾つかの本を自動的に紹介してくれます。

 

作家や本の世界では、お互いにお互いの作品を紹介したり、引用したり、批評したり、関連を強調することで、お互いにお互いを高めあう頂上への競争(切磋琢磨)が存在しているのだと思います。

自分たちの都合による「競争相手を叩き潰すゼロサムゲーム」ではなくて、お客さんの都合を考えた「無限大の世界でゲームをしている」のかもしれません。

 

去年、アマゾンの傘下に入った自然食品を中心に販売しているホールフーズの販売棚には、サードウェーブ系コーヒー企業群の独自性の強いコーヒー豆が並べられていて、その中から消費者が好みのコーヒー豆を選択しているという話を、何かで読んだことがあります。

最近のアメリカの飲食業界ですが、幾つかのサードウェーブ系の小規模なコーヒー屋さんからコーヒー豆を仕入れて、お客さんが選択したコーヒー豆を使ってコーヒーを淹れるお店が増えているという話も、最近、何かで読みました。

 

競争相手を手段を選ばずに叩き潰して販売棚を独占するというゼロサムゲームの世界で商売をしていると、気がつくと、ゼロサムゲームの世界自体が縮小していたということも有り得るのだと思います。

例えば、大手珈琲屋さんが、零細小規模な珈琲屋を自分たちよりも弱い存在だと侮って、その市場を奪って独占しようと、自分たちの得意とする馬鹿馬鹿しくて時代遅れな商法駆使したとしても、そこは自分たちの得意とする商法が通用しないコーヒー市場だということも有り得ます。

 

sethgodin.typepad.com