年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

コーヒー情報記事を専門にエントリーしているブログです。年老いた珈琲豆焙煎屋の稼ぎ頭のブログです。

エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆、お召し上がり目安期間が短い理由

年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦は、地方の中核都市・和歌山市で、『エカワ珈琲店』という屋号の自家焙煎コーヒー豆小売専門店を営んでいます。

零細生業パパママ経営の自家焙煎コーヒー豆小売専門店で、もう彼此30年ほど商売を続けていて生業に徹した商売にある程度の誇りを持っています。

 

その『エカワ珈琲店』が自家焙煎して小売販売している自家焙煎コーヒー豆のお召し上がり目安期間ですが、豆のままなら3週間~4週間、粉に粉砕したなら、できれば1週間以内、長くても2週間以内としています。

スーパーなどで売られている焙煎したコーヒー豆(ギュラーコーヒー豆)の賞味期限は、6か月~1年くらいに設定されていますが、それと比べると極端に短く設定しています。その理由について、できるだけ簡単に説明します。

 

f:id:ekawa:20200818135357p:plain

f:id:ekawa:20200818135950p:plain


焙煎したコーヒー豆は含水率2%以下の乾燥食品で、丁寧に包装していれば、その包装状態で1年間くらい保管していても腐敗しないはずです。

ですから、賞味期限が6か月、あるいは1年の食品表示も可能だとは思います。しかし、腐敗しなくても、収穫・加工した直後から品質の劣化が始まるのが食品で、焙煎したコーヒー豆も日にちが経過すれば劣化して行きます。

 

焙煎コーヒー豆が日にちの経過とともに劣化する主たる原因は、焙煎コーヒー豆構造内に含まれる揮発性の香り成分とフレーバーオイルの酸化分解だと考えています。

そして、その酸化分解は、焙煎コーヒー豆構造内に空気が侵入して引き起こされると考えています。

焙煎コーヒー豆内のハニカム構造(セルロースマトリックス)は、ガスや空気を透過するので、焙煎後ハニカム構造内に充満している二酸化炭素ガスが放出されて行くと、入れ替わって空気が侵入して来て、揮発性の香り成分やフレーバーオイルの酸化分解が始まると考えています。

 

ハニカム構造内に充満する二酸化炭素ガスは、豆のままなら1か月くらい、粉にすれば数日でその大半が放出されてしまうと思います。放出度合はコーヒーブルームの発生の仕方で推測できます。放出が進めば、コーヒーブルームに勢いが無くなって行きます。

エカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆のお召し上がり目安期間を、コーヒーブルームの発生する勢いを目安にして決めています。

ekawa.hatenadiary.jp

 

焙煎したコーヒー豆は、1週間~3週間くらいかけて熟成して行きます。そして、その熟成した焙煎コーヒー豆を使って淹れると、美味しいコーヒーが出来上がると言われています。

大量生産・大量消費されている焙煎したコーヒー豆(レギュラーコーヒー豆)は、焙煎後3週間くらい熟成させてからパッキングしているのだと思います。

 

焙煎したコーヒー豆(レギュラーコーヒー豆)のパッキングに際しては、できるだけ空気と触れないようなパッキング方法を採用しているので、賞味期限6か月や1年が可能になると推測しています。しかし、開封すれば劣化が急速に進行するので、速やかに消費する必要がありまます。「速やかに消費する」を究極に探究した商品が、ポッドコーヒーなのかもしれません。

 

エカワ珈琲店は、焙煎コーヒー豆を製造直売する自家焙煎コーヒー豆小売店で、「煎りたて、新鮮な焙煎コーヒー豆の量り売り」商売に徹しているので、パッキングとは無縁の商売をしています。