年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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オフィスコーヒーサービスは、高価な1杯抽出用コーヒーマシーンのレンタルが決めて

30年近く前のこと、エカワ珈琲店が自家焙煎コーヒー豆小売専門店に衣替えした当初、売上のほとんどをオフィスに焙煎コーヒー豆を配達することで得ていました。

最初は焙煎コーヒー豆を配達するだけでしたが、しばらくすると、お客さんの要望もあってコーヒーメーカーを無料でレンタルするようになりました。本格的に、オフィスコーヒーサービス事業に参入したわけです。

タイガー コーヒーメーカー 12杯用 シャワードリップ方式 アーバングレー ACJ-B120-HU Tiger

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焙煎コーヒー豆だけを配達している時は、ぼつぼつ配達注文が入るだけでしたが、コーヒーメーカーの無料レンタルを開始すると、配達先オフイス数が面白いように増えて行きました。

当時、10杯用or12杯用のコーヒーメーカーの仕入れ価格は1万円~1万数千円くらいでしたが、3回くらい焙煎コーヒー豆の配達注文があればコーヒーメーカーの仕入れ代金を回収できたので、オフィスへの焙煎コーヒー豆配達は美味しいビジネスでした。(ちなみに、1回の配達で5000円~1万円くらいの売上でした)

 

オフィスコーヒーの導入期だったのだと思います。しかし、競争の無い期間は少しの間だけで、喫茶店・飲食店に焙煎コーヒー豆を卸している業務卸専門の珈琲会社や、全国展開しているオフィスコーヒー専門企業が参入してくると、零細生業パパママ店規模のコーヒー豆自家焙煎店では太刀打ちできません。

瞬く間に、オフィスに焙煎コーヒー豆を配達するという美味しいビジネスから追い払われてしまいました。2000年前後のことです。

 

それから20年が経過しています。1杯100円~150円のコンビニコーヒーがビジネスパーソンたち(会社に勤めている人たち)の生活の中に定着しています。

最近では、挽きたて淹れたてのコーヒーを提供する自動販売機も登場していて、こちらも1杯100円~150円くらいで購入できるということで人気があります。

 

オフィスコーヒーでレンタルできる業務用コーヒーマシーンには、大量抽出タイプと一杯抽出タイプがありますが、最近のオフィスコーヒーサービスでは、大量抽出タイプの業務用コーヒーマシーンよりも、淹れたてコーヒーを素早く作れる1杯抽出タイプの高価なコーヒーマシーンに人気が集中しているようです。

大量抽出タイプの業務用コーヒーシーンで作り置きしたコーヒーについては、熱によって酸化してしまった不味いコーヒーというイメージが出来上がっているようです。

 

ということで、コンビニコーヒーや自動販売機の挽きたて淹れたてコーヒーに対抗すべく、カプセルコーヒーや挽きたて淹れたてコーヒーを簡単に素早く作れるコーヒーマシーンをレンタルするオフィスコーヒーサービスが登場しています。そして、オフィスで働く人たちの需要は、挽きたて淹れたてコーヒーを素早く簡単に作れる1杯抽出タイプの高価なコーヒーマシーンに集中しています。

 

オフィスコーヒーサービスの世界では、仕入れ価格で1台数万円~十数万円、もしくはそれ以上に高価なコーヒーマシーンをレンタルする競争に突入しているわけですから、零細生業パパママ店規模の自家焙煎コーヒー豆小売専門店の出る幕は無くなってしまっています。

このオフィスコーヒーサービスの世界で発生している現象ですが、今後、飲食店向け焙煎コーヒー豆業務卸の分野に波及して来るのは間違いだろうと思います。もしかしたら、もう、波及して来ているのかもしれません。

 

零細生業パパママ経営の自家焙煎コーヒー豆小売専門店が、オフィスコーヒーサービスを展開できる環境は、もうどこにも存在していないのだと思います。もし、オフィスコーヒーサービスに係ることがあるとしたら、オフィスコーヒーサービス専門会社を通じてて間接的に焙煎コーヒー豆を供給させてもらう時だけだと思います。

 

そこで、地方の町の零細生業パパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店は、焙煎コーヒー豆の小売販売に徹するという道を選択して、何とか生き残って行こうと考えています。