江川珈琲店のブログ

「エカワ」は音声検索で表示され難いようなので、またまた、「江川珈琲店のブログ」にブログタイトル名を変更しました。

高級ブランドのスペシャリテイーコーヒーよりも、適正価格のコモディティーコーヒーのほうが・・・

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最近、田舎の珈琲豆焙煎屋は、高級ブランドのスペシャリティーコーヒーよりも、適正価格で購入できるコモディティーコーヒーの方が使い易いと考えるようになっています。理由は、田舎の珈琲豆焙煎屋は、『コーヒー豆の焙煎』に焦点を当てたブランド構築を目指すのが一番妥当だと考え始めているからです。

と言っても、焙煎技術の大会に挑戦するというようなカタチで、『コーヒー豆焙煎』のブランドを構築して行くには年齢を重ね過ぎています。これまで積み重ねて来た経験・知識・技術に依存してのブランド構築が、一番無難な選択だと考えている今日この頃です。

 

消費地における中小珈琲事業者たちが、「コーヒー豆の生産」に着目して、生産地のコーヒー豆生産者と協力関係を築くことで誕生したのがスペシャリティーコーヒーという商品だと考えています。

消費地の中小珈琲事業者たちは、コーヒー豆に焦点を絞った催し物や競技会などの開催や統一的基準の制定など、スペシャリティーコーヒーの価値を高める努力を続けた結果として、付加価値が上昇して行ったのだと理解しています。

   

コーヒー豆生産という単純なものに色々と複雑なものを付け加えた商品が、スペシャリティーコーヒーという商品だと考えているわけです。

価格は品質価値のパラメーターでもあるわけですから、標高の高い畑で手間暇かけて生産されるコーヒー豆が、それ相応の価格で取引されるのは当然のことだと思います。

スペシャリティーコーヒーの生産者は、それだけの努力をして来たと考えています。しかし、近年、スペシャリティーコーヒーの価格があまりにも高くなり過ぎたようです。

 

現在(2018年)、ニューヨーク商品市場で取引されるタイプのコモディティーコーヒーの価格が下落していて、採算ラインを下回る銘柄も出て来ていると伝えられています。しかし、スペシャリティーコーヒーの価格は高騰を続けています。

市場で流通しているコーヒー豆の大半はコモディティーコーヒーですから、取引価格が採算ラインを下回れば、コーヒー豆生産の持続性に問題が生じる可能性があります。(2050年問題/参考1)

 

最近、スペシャリティーコーヒーの競争入札イベントで、「ゲイシャ」という銘柄のスペシャリティーコーヒーが1kg数万円で落札されたというようなニュースに接すると、馬鹿馬鹿しさの真っ只中を彷徨っている(参考2)ような気分に襲われます。

そのような異常に高価なコーヒーを家庭で味わうと仮定すると、どのような淹れ方をして、どのようなカップにコーヒーを注いで、どのような部屋で、どのような気分で味わうのだろうかと考えてしまいます。

 

そして、貴族のような生活をしているお金持ちが、儀式のような雰囲気の中で異常に高価なコーヒーを味わっている姿を思い浮かべてしまいます。しかし、儀式のような雰囲気の中で味わうコーヒーは、多数の消費者が気楽な気持ちで楽しめるコーヒーで無いことは確かです。

スペシャリティーコーヒーの価格急騰ですが、単純なものをあまりにも複雑にし過ぎた結果だとすると、品質と価格という価値を計測するパラメーターに不均衡が生じて、消費者に見放されるということも有り得ると思います。おそらく、もう不均衡が生じて来ているような気がします。

   

大多数のコーヒー消費者は、コーヒーを気楽に味わっていて、コモディティーコーヒーで十分に満足できるとするならば、高価なスペシャリティーコーヒーを選択するコーヒー消費者はそれほど多くないはずです。

コーヒー豆の生産、コーヒー豆の焙煎、コーヒーの醸造、この3つが一定のレベルを越えていれば、コモディティーコーヒーやスペシャリティーコーヒーの違いを問わず、品質の良いコーヒーを楽しむことができると、田舎町の小規模な珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店)のおやっさん(orおじいさん)は考えています。

 

そして、珈琲豆焙煎屋は、コーヒー豆の出自を強調するのでは無くて、焙煎したコーヒー豆で価値を伝えることに集中すべきだとも考えています。

ということで、田舎町の小規模な珈琲豆焙煎屋(参考3)のおやっさん(orおじいさん)は、価格の高い(高級な)スペシャリティーコーヒーに魅力を感じなくなっていて、できれば、適正価格のコモディティーコーヒー中心の仕入れが出来たらとも考えているわけです。

 

理由は、店舗に来店してくれるお客さんの大半が、酸味の少ない柔らかな味のコーヒーを作れる焙煎コーヒー豆を希望するからです。

酸味を少なくするには、苦味で酸味を覆い隠すという焙煎手法を採用するわけですが、ある一定レベル以上の酸味成分が存在していなければ、苦味で酸味を覆い隠した焙煎コーヒー豆でコーヒーを淹れると味気ないコーヒーが出来上がります。

 

スペシャリティーコーヒーの価値の源がフルーツのような酸味ですから、一定レベル以上の上質な酸味は持っています。しかし、輸入商社さんが吟味して買い付けたコモディティーコーヒー豆(参考4)も、スペシャリティーコーヒー豆に勝とも劣らない酸味品質を持っています。

現在(2018年)のコモディティーコーヒーは、スペシャリティーコーヒーの影響を強く受けていて、20年前、30年前のコモディティーコーヒーからは、完全に様変わりしているように感じられます。

 

煎りたて新鮮なコーヒーがモットーの田舎の零細な珈琲豆焙煎屋が、焙煎コーヒー豆の原料に高級ブランドのスペシャリティーコーヒーを使った焙煎コーヒー豆中心の商売を営んでも、販売価格が消費者のライフスタイル(生活環境)と適合するはずがありません。それは、高級ブランドのブルーマウンテンコーヒーで経験済みです。

 

高級ブランドコーヒーを求める消費者が、ほとんど存在していない環境下で高級ブランドコーヒーを販売しようとしても、お客さんの存在しない市場で商売をしているわけですから、赤字を累積するだけです。

焙煎後2か月も経過していれば、スペシャリティーコーヒーの焙煎豆もコモディティーコーヒーの焙煎豆も、劣化した焙煎コーヒー豆になっているわけですから。

   

参考or関連記事

(参考1)

昔ながらの珈琲豆焙煎屋ですから、コモディティーコーヒーがそれなりの価格で仕入れられるなら、スペシャリテイーコーヒーよりもコモディティーコーヒーを使いたいと思います。ある程度、コーヒー豆の焙煎に自信を持っているので。

(参考2)

昭和45年のベストセラー青春小説が、「赤頭巾ちゃん気をつけて」の中に『馬鹿馬鹿しさの真っ只中』という言葉が出てきます。

(参考3)

どのように高価なコーヒー豆を使っていても、焙煎後1か月も経過すれば、焙煎コーヒー豆は相当に劣化しているはずです。

(参考4)

おかげさまで、品質の良いコモディティーコーヒー豆がリズナブルな価格で仕入れできるようになりました。