年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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コーヒーノキとコーヒー果実とコーヒー生豆

コーヒー消費者の誰もが焙煎コーヒー豆を見たことがあると思いますが、その原料となるコーヒー豆(orコーヒー生豆)を見たことのあるコーヒー消費者は、それほど多く無いと思います。

コーヒー豆(orコーヒー生豆)は、エチオピアを原産地とするアカネ科の「コーヒーノキ」の種子です。

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coffee network より引用しています

【目次】

 

コーヒーノキ

コーヒーノキは、農園での栽培管理をしやすくするために短く剪定されますが、野生のコーヒーノキは5m以上、種類によっては8mくらいまで背が伸びるとも言われています。

それぞれのコーヒーノキは、栗の葉に似て厚い緑色のワックス質の葉に覆われ、果実はコーヒノキの枝に沿って着生成長して行きます。

葉は幹の節ごとに90度方向を変え、お互いに対をなして(対生/十字対生で)成長するので、葉が重なり合うことがなくて日光を受けやすくなっています。

コーヒーノキの多くは五弁の花が咲き、その中に淡緑色のおしべ五本がめしべ一本を囲んでいて、ジャスミンのような香りを放っていると言われています。

他家受粉のロブスタ種・リベリカ種の花粉は風で飛散しやすいように軽くて乾燥していますが、自家受粉のアラビカ種の花粉は粘り気があって飛散し難くなっているようです。

開花後6~8か月して果実が赤く成熟します。

はじめ緑色だった果実が赤みを増し、成熟して真っ赤になったコーヒー果実がサクランボに似ていることから、コーヒーの果実をコーヒーチェリーとも呼んでいます。

種をまいてから結実するまで3年~5年が必要で、100年くらいは実がなるとも言われていますが、収穫に適した期間は7年~20年くらいと考えられています。

生産量を維持して、さらに高めようとすれば、適切な栽培管理が必要になります。平均的なコーヒーノキからは、年間10ポンド(約4.5kg)のコーヒー果実が採れて、コーヒー豆2ポンド(約900g)を生産すると言われています。

コーヒーノキの栽培には、気温・降水・土壌をはじめ幾つかの条件が求められます。それらの条件を満たす地域が、赤道を挟んで南北25度の環状地帯、コーヒーベルトと呼ばれる地域の国々です。

 

栽培種

コーヒーノキですが、植物学では、アカネ科・コフィア属(Coffea)に分類されています。その中に、25種~100種くらいのコーヒー植物があると推定されているようです。しかし、世界中の産地で実用的に栽培されているコーヒーノキは、20世紀の頃には、「リベリカ種」・「ロブスタ種」・「アラビカ種」の3種(三原種と呼んでいた)でしたが、21世紀の現在、主に栽培されているのが「アラビカ種」と「ロブスタ種」の二大栽培種です。

 

コフィア・アラビカ(アラビカ種)

エチオピア原産で、紅海を隔てたアラビア半島を経て、現在では、世界中のコーヒー生産国のほぼ全域で栽培されていて、コーヒー生産量の約70%がアラビカ種のコーヒー豆だと言われています。

品質価値は高いのですが、低温・高温・多雨・少雨に不適で、耐病性も低いと言われています。

栽培には、気温15度~25度、海抜600m~1800mの高地の傾斜地が適していて、栽培可能な高度は、赤道付近と赤道から離れた場所とでは違ってきます。

高地の傾斜地というアクセスの悪い場所が栽培に適しているわけですから、アラビカ種のコーヒーノキの栽培には、手間と費用が掛かります。

 

コフィア・カネフォーラ(ロブスタ種)

19世紀末(1898年頃)、ペルギー人科学者エミール・ローランがアフリカのコンゴ盆地で発見したとされている品種です。

現在、ロブスタ種は、アフリカ大陸の中部および西部、インドネシアやベトナムを含む東南アジア、ブラジルなどで栽培されています。

近年、ロブスタ種の生産量は増加傾向にあって、世界市場の約30%を占めています。

低地での栽培が可能で、成長が早くて栽培に手間がかからず、収量も多くて病気に対する抵抗力も高いのですか、アラビカ種と比べると風味で劣っています。

また、アラビカ種と同じくらいの降雨量が必要で、霜に対してもアラビカ種同様に弱いようです。

アラビカ種よりもカフェインを50~60%多く含んでいて、価格が安くてエキス分の抽出量も多いのでインスタントコーヒーの原料として無くてはならない品種になっています。

 

コーヒーの果実

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焙煎コーヒー豆の原料となるコーヒー豆は、コーヒーノキに成る果実の種子です。 

コーヒーの果実は、直径1.0~1.5cmの楕円に近い球形で、一番外側に固い外皮(果皮)、それに包まれた甘くて弾力を持つ果肉(パルプ)と、そして茶褐色のパーチメント(内果皮)という厚い皮の中に、銀皮(シルバースキン)に包まれた種子があります。

果肉とパーチメントの間には、ミューシレージと呼ばれているヌルヌルした粘着物(ペクチン層)があります。

一般的に、コーヒー果実の中には2個の堅い種子(タネ)が入っていますが、時々、コーヒー果実の中に種子(タネ)が一つだけしか入っていないこともあります。この一つしか入っていない種子(タネ)をビーベリーと呼んでいます。ビーベリーの発生割合は全体の5%くらいだとも言われています。(10~15%という意見もあるようです)

科学的に証明されているわけではないのですが、ピーベリーのコーヒー豆は、ノーマルなコーヒー豆よりも、より多くの香味成分を持っているとする意見もあります。

 

【参考】下のリンク先ページの記事を読んで頂ければ、コーヒーに関する基礎的知識を仕入れて頂けるかもしれません。

www.ekawacoffee.work