年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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焙煎コーヒー豆を豆のままの姿で購入した方が良い理由

焙煎コーヒー豆は、空気に触れると酸化が始まります。正確には、焙煎コーヒー豆内のコーヒーオイルやその他のコーヒー成分が空気に含まれている酸素と接触することで酸化して行くわけです。しかし、焙煎直後のコーヒー豆には二酸化炭素ガスが含まれていて、この二酸化炭素ガスが、空気とコーヒーオイルやその他のコーヒー成分との接触を防いでいます。

それが、焙煎コーヒー豆を豆の姿のまま購入した方が良い最大の理由ですが、その他にも幾つかの理由が存在しています。

ということで、エカワ珈琲店が考える、焙煎コーヒー豆を豆の姿で購入した方が良い理由、顆粒や粉に粉砕した姿で購入しない方が良い理由を4項目にまとめました。

以下の4項目の問題点を解決する方法は、唯一つです。焙煎コーヒー豆姿のままで保存して置いて、コーヒーを淹れる直前に焙煎コーヒー豆を挽くことです。

 

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コーヒーオイルを汚染させる

焙煎コーヒー豆を顆粒または粉に粉砕すると、焙煎コーヒー豆内のコーヒーオイルが表面に出て来やすくなります。あるいは、焙煎コーヒー粉砕物(粉や顆粒)の表面とコーヒーオイルとの距離が短くなります。

そうすると、コーヒーオイルが粉砕した焙煎コーヒー豆粉砕物周囲の嫌悪感を覚える匂いを吸収して、その匂いが淹れたコーヒーに持ち込まれたりします。焙煎コーヒー豆の姿のままだと、嫌悪感を覚える匂いを吸収する可能性が低くなります。

焙煎コーヒー豆の姿のまま保存して置くと、コーヒーオイルの汚染する確立が少なくなると考えています。

 

芳香成分の放出スピードが増す

焙煎終了直後の焙煎コーヒー豆細胞内には、800~1000種類くらいの揮発性芳香成分が含まれています。焙煎コーヒー豆を粉砕すると表面積が増えるので、それらの揮発性芳香成分の放出スピードが極端に速くなります。

焙煎コーヒー豆粉砕後、約15分で揮発性芳香成分の約60%が失われると考えられます。焙煎コーヒー豆の姿のままだと、揮発性芳香成分はゆっくりと放出されて行きます。

 

湿気を吸収しやすくなる

コーヒーオイルは、焙煎中に発生した揮発性芳香成分を吸収or吸着(収着)しています。

このコーヒーオイルが水(or湯)に分散することで、コーヒーの風味としての香りが出現して来るとエカワ珈琲店は考えています。

焙煎コーヒー豆は水分を吸収し易い性質を持っているので、保存中に湿気を吸収する可能性があります。焙煎コーヒー豆姿のまま保存して置くよりも、焙煎コーヒー粉(or顆粒)に粉砕して保存すると、湿気と接触する表面積がものすごく大きくなるので、湿気を吸収しやすくなります。

湿気を吸収すると、揮発性芳香成分が吸収or吸着(収着)しているコーヒーオイルは湿気で希釈されてしまいます。また、湿気の吸収が、コーヒー成分を変質させることもあります。

 

二酸化炭素の消失スピードが速くなる

コーヒー豆の焙煎中に発生して、焙煎終了後も焙煎コーヒー豆内に残っている二酸化炭素ガスは、焙煎コーヒー豆の香味成分を空気(酸素)の攻撃から守るバリアーの役割を演じているわけですが、焙煎後数週間くらいで大半が放出されてしまいます。

香気成分は焙煎コーヒー豆内のオイルに囲まれているわけですが、焙煎コーヒー豆内のオイルは、空気と触れると酸化してしまいます。

焙煎コーヒー豆からの二酸化炭素ガスの放出は、最初は素早く、その後、徐々に放出されて行きますが、4~6週間くらいでほとんど放出されてしまうと考えられています。

二酸化炭素ガスが放出されると、その後、空気が焙煎コーヒー豆内に入ってきます。この空気とコーヒーオイルが接触すると、焙煎コーヒー豆の酸化が始まります。

焙煎コーヒー豆を粉砕してその表面積が増加すると、二酸化炭素ガスの放出スピードが豆の姿の時よりも極端に速くなります。

ちなみに、焙煎コーヒーに含まれる二酸化炭素ガスですが、コーヒーを淹れる時、揮発性芳香成分が吸収or吸着(収着)しているコーヒーオイルをコーヒー中に分散させるのに重要な役割を演じている可能性もあるとも考えています。