年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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20世紀版、エカワ珈琲店の珈琲読本、(第7章)コーヒー豆の焙煎

生産地にて精製加工処理されたコーヒー生豆を、コーヒーを淹れるのに使われている焙煎コーヒー豆に品質変換させる操作技術がコーヒー豆の焙煎だと理解しています。

最高品質のコーヒー生豆が、未熟な焙煎技術によって品質の悪い焙煎コーヒー豆に変身することがあったとしても、最低品質のコーヒー生豆が、熟練の焙煎技術によって魔法を使ったように、素晴らしい品質の焙煎コーヒー豆に変身することなど絶対にあり得ないと、年老いた珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店の店主)が尊敬しているコーヒー研究家の伊藤博さんが語っています。 

 

【参考】年老いた珈琲豆焙煎屋がキンドルでセルフ出版している電子書籍「序説、コーヒー豆の自家焙煎」には、このプログ記事を基にして今風に修正加筆した『コーヒー豆の焙煎』の章を収録しています。字数はこのブログ記事の4倍以上で、まあまあ内容の濃い記事となっていると自負しています。

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【目次】

 

【1】コーヒー豆の焙煎について

コーヒー豆を火力で煎ることを、コーヒー豆の焙煎と呼んでいます。

コーヒー生豆は、焙煎という人為的な加熱反応によって、あの褐色で香り豊かな焙煎コーヒー豆となります。

コーヒー豆の焙煎は、コーヒー生豆を加熱することで、化学的な成分変化を引き起こして、コーヒー独特の色や香り、それに風味を創り出す作業なのだと理解しています。

焙煎によってコーヒー豆の水分が除かれ、成分が化学変化して、コーヒー独特の色や香り、それに風味が創り出されます。

と同時に、コーヒー豆が本来持っている酸味や苦味の成分を、必要な量に制御するのが焙煎という作業なのだと理解しています。

同じコーヒー豆から、焙煎の仕方で、変化に富んだ風味、香りを持つ焙煎コーヒー豆を創ることができると言われています。

コーヒーの生豆を煎ると、水分が蒸発して、表面が茶色く色づき、つやが出てきます。

そして、豆が膨らみ、指で強く押えれば割れるぐらいの堅さになります。

 

【2】焙煎の道具

焙煎機の主な熱源は、ガスと電気です。

コーヒー豆の焙煎では、今のところ、ガスを熱源とする焙煎機のほうがプロ向きだと思っています。

ガスを熱源とする焙煎機には、直火式に半熱風式、それに熱風式の3種類があります。

直火式と半熱風式の焙煎機は、回転ドラム(釜)の真下にガスバーナー(熱源)があります。

直火式は、回転ドラムが網状になっていて、半熱風式は、回転ドラムが金板で覆われています。

直火式の焙煎機も、半熱風式の焙煎機も、どちらも小型の焙煎機ですが、熱風式の焙煎機は、規模の大きい焙煎業者用の大型焙煎機です。

 

【3】焙煎の前処理

コーヒー豆焙煎の前処理で重要なのは、コーヒー生豆からの異物除去とコーヒー生豆表面の洗浄、それに含有水分の調整だと考えています。

石や木片などの異物が混入していると、焙煎機の故障の原因になったりします。

前処理として、機械や手作業(ハンドピック)で、異物や欠点豆を取り除くべきだと考えています。

スペシャリティーコーヒーと呼ばれているコーヒー豆の場合、収穫地にて念入りに精製・選別されて、一定の温度を保ったコンテナに保管して輸送されるので、ほとんど、前処理の必要が無いようです。

ですから、エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)は、できるだけスペシャリティータイプのコーヒー生豆を使用することにしています。

 

【4】焙煎の仕組み【5】コーヒー豆焙煎私論

この2つの項については、年老いた珈琲豆焙煎屋がキンドルでセルフ出版している電子書籍『序説、コーヒー豆の自家焙煎』で読んで頂けます。

 

【6】焙煎と焙煎機

加熱することで、無味乾燥なコーヒー生豆(グリーンビーン)を、香り豊かな褐色のコーヒー豆に変化させることを焙煎と呼んでいます。

コーヒー豆は、できるだけ短時間に、そして、できるだけ低温で焙煎したほうが、おいしいコーヒーに仕上がるとする考え方が主流なのかもしれません。

でも、年老いた珈琲豆焙煎屋は、許される範囲内で、できるだけ時間をかけて丁寧にコーヒー豆を焙煎することにしています。

焙煎作業に従事する者にとっての使いやすい焙煎機とは、ドラム内のコーヒー豆を常にかき混ぜることができて、蒸気や煙を除去する機能が備わっていて、できるだけ簡単に焙煎の進み具合が確認できる焙煎機です。

そして、加熱の調整ができて、煎り上がったコーヒー豆を素早くドラムから排出できる焙煎機です。

さらに付け加えるならば、半世紀が経過しても実用に耐える焙煎機が理想なのだと思います。

 

【7】焙煎の方法/ホームロースティング

コーヒー生豆を銀杏煎り用の金網ロースター(銀杏煎り器)に入れて、ガスの炎を一定(中火)に保って、15~20センチメートルの高さで銀杏煎り器を動かしながら、コーヒー豆全体に熱が回るように焙煎するのが適正な焙煎方法だと考えています。

フライパンを使用する場合も、常時、木べらなどでコーヒー豆をかき回しながら、豆全体に熱が回るように焙煎するのが適正な焙煎方法だと思います。

焙煎プロセスが進行して、コーヒー豆が色づいて来て、破裂音(ハゼ音)が聞こえてきたら、銀杏煎り器なら、熱源の炎との距離をもう少し高くして、フライパンでの焙煎なら、ガスの火力を調整(弱く)します。

ホームロースティングでも、業務用(商売用)の焙煎でも、色、煙、音、臭いに十分に留意してコーヒー豆を焙煎すべきだと考えています。